『養生訓・飲食 上』(1):飲食の大切さ

2017年9月21日木曜日

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 前回までは、『養生訓・総論』編を読んできましたが、今回から、『養生訓・飲食』編を現代文に訳しながら読み進めて行きます。
コムラサキ Callicarpa dicotoma の果実(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて)
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 人の身体は、天地から「元気」をもらって生まれるのだが、飲食によって養わなければ、「元気」が尽きてしまい、命を保つことができない。

 「元気」は生命の基本であり、飲食は生命を養うものである。このため、飲食による養いは、人が日々生きていくための唯一の補いであり、半日も欠かすことができない。

 しかしながら、飲食は人の大欲の対象でもあり、口や腹が好むものである。口や腹が好むままに、欲するままに飲食を行うと、節度を越えてしまい、必ず胃腸を傷めて、様々な病を生じて、命を短くする。

 したがって、養生のためには、まず胃腸を調えることが重要である。胃腸を調えることは、人の身体にとって、第一の保養となる。昔の人も「飲食を節制しつつ、自分の身体を養いなさい。」と言っている。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)

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 『養生訓・飲食』は、飲食の方法について非常に具体的な内容が書かれています。その内容は、現代でも十分通用する内容を含んでいると思われます。(T.K.

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。


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