2018年1月16日火曜日

初春の候・・・

皆様いかがお過ごしですか。
お正月も過ぎ、普段の生活に戻りつつあるかと思います。

センター敷地内の梅もほころび始めました。

本年も皆さまの健康のお役に立てますよう、一同努めていきたいと思います。

寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいね。(S)


2017年12月28日木曜日

煎じ薬の保存

今日は御用納め、仕事納めですね。
休診日の今日は降り積もった雪…ではなく生薬の粉をお掃除。

診療所では8割くらいの方が煎じ薬を利用されています。
休暇や旅行となるとその間の薬をどうしたらよいか悩まれると思います。

症状によっては多少休薬しても問題ない場合もありますし、乾燥したエキス製剤で代用できる場合もあります。
また、2日分を限度に携帯してもかまいませんが、煎じ薬を冷やして魔法瓶に入れることをお勧めしています。
ペットボトルに入れると外気温に影響されますので避けてくださいね。冬でも室内や車内の暖房や日差しによる影響で成分の変質や腐敗が進んでしまいます。

しかし、煎じ薬は患者様の体調に合わせて生薬を加減している場合が多いですので、そのような時は、煎じ代行をご活用くださいね。煎じ液をレトルトパックにして お渡しいたします。密封してあり2か月保存可能です。

では、年末年始、12/26のT.K.先生の記事をよく読んで、’腹八分目’でお過ごしください!
来年も皆様の健康のお役に立てるよう努力していきたいと思います。(S)



2017年12月26日火曜日

『養生訓・飲食 上』(4):「腹八分目」

 前回は、貝原益軒が食べ物の味について述べていましたが、今回は食べ物の量について述べています。
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 珍味や美味の食事でも、腹八分目か九分目でやめておくべきである。腹十分目まで満たしてしまうと、後で災いが起こる。

 少しの間、食欲をこらえれば、後の災いは起こらない。

 少し飲み食いして味が良いのを知ることは、多く飲み食いして飽きるほど腹いっぱいになることと、食べ物を楽しむという点では同じであり、かつ、後の災いを起こさない。

 何事も、十分にしてしまうと、必ず災いが起こる。とりわけ飲食については、腹十分目まで満腹になるのは避けなければならない。

 また、最初に慎んでおけば、後の災いは起こらない。

(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)

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 次回も、食事の内容についてのお話が続きます。(T.K.)

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

2017年12月22日金曜日

TBSテレビ「この差って何ですか? 胃腸の異常を見逃すな!」 (続)

 今週火曜日(2017/12/19)、TBSテレビの「この差って何ですか? 胃腸の異常を見逃すな!」で、土田晃之さんの「舌の色が薄い」ことが話題になっていて、貧血の可能性があり、栄養や鉄分が足りない可能性があると解説されていました。
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 土田晃之さんの「舌の色が薄い」というのは、専門的には舌の「本体」である「舌質(ぜっしつ)」の色が、薄くなっているということを意味しています。

 「舌質」の色が薄くなっている場合、東洋医学では大きく次の2つの状態が想定されます。

 一つめは、「気血両虚(きけつりょうきょ)」といって、体の元気と栄養分の両方が足りなくなっている状態です。大きな病気をした後、または大きな手術をした後、あるいは栄養バランスが悪い状態が長く続いている人に起こりやすい状態です。

 二つめは、「寒証(かんしょう)」といって、何らかの理由で体が冷えてしまった状態です。これには、「陽気(ようきょ)」という体を温める働きが少なくなった場合と、「寒邪(かんじゃ)」という体を冷やす因子が外から入り込んだ場合の二つの原因があります。

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 土田晃之さんの舌の場合は、テレビ画面を通して拝見する限り、舌全体に力が無く、張りが無く表面の光沢も失い、ややむくんで、不規則な歯痕(歯のあと)がついていました。

 そこで、「気血両虚(きけつりょうきょ)」の状態がよほど長く続いているか、「陽気(ようきょ)」の状態でかつ水分代謝が悪い状態がよほど長く続いているものと考えられます。

 このような舌は、間違いなく「未病(みびょう)」の状態を意味しますので、本当の病気を発症する前に、生活と食事をしっかり改善する必要があると考えられます。(T.K.)

2017年12月21日木曜日

TBSテレビ「この差って何ですか? 胃腸の異常を見逃すな! 」

 今週火曜日(2017/12/19)、TBSテレビの「この差って何ですか? 胃腸の異常を見逃すな!」で、舌が「白っぽい時」と「白っぽくない時」の差をテーマにしていました。北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛先生がご解説されていました。
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 なぜか西洋医学では「舌から全身の状態を推察する診断学」はあまり進みませんでしたが、東洋医学では「舌から全身の状態を推察する診断学」が伝統的にすごく発達して来ました。

 東洋医学で舌を診察するときには、舌の表面を白く薄くおおっている「苔(こけ)」と、舌の「本体」の大きく2つに分けて考えます。専門的には、「苔」のことを「舌苔(ぜったい)」と呼び、「本体」のことを「舌質(ぜっしつ)」と呼びます。

 「舌苔」は、ごくうっすらと「舌質」が透けてみえるくらいの程度で舌の表面を白く薄くおおっている状態が正常です。したがって、「舌苔」は厚くなり過ぎても異常ですが、無くなってしまっても異常です。

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 今回の番組で、舌が「白っぽい時」というのは、この「舌苔」が厚くなり過ぎた時のことを指していると思われます。

 番組内では、「舌が白っぽい時は、胃や腸に問題がある。」と解説されていましたが、白く厚い「舌苔」を見た時には、東洋医学では一般に「湿邪(しつじゃ)」「痰(たん)」「食積(しょくしゃく)」という、「病気を起こす悪いもの」が体内の存在している状態と考えます。

 これらの「病気を起こす悪いもの」は、「胃腸」に存在することが多いので、今回のようなご解説になったのでしょう。

 感冒のような急性疾患で、「寒邪(かんじゃ)」が体の中の方に入り込んできても「舌苔」は白く目立つようになりますね。(T.K.)

2017年12月13日水曜日

11/25東洋医学健康セミナー

11/25(土)に今年度3回目となる柏の葉・東洋医学健康セミナーを開催いたしました。

今回は痛みに対する東洋医学的な治療について、診療所長の勝野先生と鍼灸院長の松本先生がお話をいたしました。
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1.「つらい『痛み』の原因と漢方治療の効果」
勝野達郎(千葉大学柏の葉診療所長・千葉大学医学部附属病院准教授・医師)
2.「お灸を使った痛みに対するセルフケア-肩痛・腰痛・膝痛など-」   
松本 毅(千葉大学柏の葉鍼灸院院長・千葉大学医学部附属病院助教・鍼灸師)
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皆様痛くて辛い症状が少しでもよくなればとの思いで、熱心に耳を傾けてくださっていました。

勝野先生は、痛みが起こるしくみや、現代医薬と漢方薬による治療について、わかりやすく説明してくださいました。
松本先生は、お灸によるセルフケアについて具体的な治療部位も含めて実践に役立つお話をしてくださいました。
テレビを見ながら、何かをしながら漫然とセルフケアするのではなく、体の声を聞き、治療する意識で集中して行う、そのことが効くためのコツだとおっしゃっていました。

漢方薬を煎じるときも同様に…確かに面倒ではありますが、自分や家族のために使う時間だと考えて煎じてみてくださいね。

痛みは身体が発する信号、メッセージだとよく言われます。薬やセルフケアを活用しながら、日々の生活を振り返り、無理をしないようお過ごしください。(S)


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   記
日時:2017.11/25(土)13:30(13:00開場)~16:00
場所:千葉大学環境健康フィールド科学センターシーズホール
つくばエクスプレス 柏の葉キャンパス駅下車 徒歩約5分
参加費:100円
定員:先着130名 事前申込制 10/25より以下の方法で要申込
メール:kashiwanoha-clinic@chiba-u.jp
電話:04-7137-8471(土日祝を除く、月~金曜日の9:00-17:00)

1.「つらい『痛み』の原因と漢方治療の効果」
勝野達郎(千葉大学柏の葉診療所長・千葉大学医学部附属病院准教授・医師)
2.「お灸を使った痛みに対するセルフケア-肩痛・腰痛・膝痛など-」   
松本 毅(千葉大学柏の葉鍼灸院院長・千葉大学医学部附属病院助教・鍼灸師)

2017年12月4日月曜日

潰瘍性大腸炎と青黛(せいたい)—副作用への対応—

 先月の慶應大学からのプレスリリースや、テレビニュースをご覧になって、当診療所にも潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)に対する青黛(せいたい)の内服治療についてのお問い合わせが増えております。そこで本日は、青黛の副作用への対応について、昨日のブログに引き続き当診療所の考え方をご説明致します。

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 2016年12月に厚生労働省から青黛の副作用に関する通知が出されました。そこで当診療所では、消化器内科などの現在の主治医が青黛内服について了承しており、ご本人ご家族から青黛に下記の5点の副作用の可能性があることをご了解頂けた場合に、青黛カプセルの処方を開始させて頂いております。

 青黛内服中に特に注意すべき副作用

1.肺高血圧症 
2.肝障害 
3.胃粘膜への刺激症状(嘔気など)
4.指先が青くなる(色素沈着)
5.何となく冷え症になる


 もし上記のような副作用が起きた場合、下記のような対応を想定しております。

1.肺高血圧症の発症を疑う場合
⇒ 青黛の内服を直ちに中止し専門医を受診して頂く。

2.肝障害
⇒ 肝障害の程度によるが、原則として青黛の内服を中止して頂く。

3.胃粘膜への刺激症状(嘔気など)
⇒ 青黛をカプセル化することにより、発生をかなり予防できます。

4.指先が青くなる(色素沈着)
⇒ 1日内服量が多くなると(1日量が3gから4g)出現することがありますが、減量により消失します。また、青黛内服により尿が青っぽくなることがありますが、これは副作用ではありません。

5.何となく冷え症になる
⇒ 漢方医学では青黛は身体を冷やす生薬と考えられており、実際青黛の内服を開始した後、「何となく冷え症になった」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

漢方医学的な考え方では、メサラジン製剤(ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®)も、体を冷やす薬剤と考えられます。メサラジン製剤の内服で「何となく冷え症になった」と感じている方は、青黛の内服でも同じように感じられるようです。

対応としては、青黛の内服量や内服期間を必要最低限とし、血流をよくしたり、体を温める働きのある漢方薬を併用すると良いようです。

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 上記の副作用の中でも、厚生労働省からの通知の通り、肺高血圧症の発症には特に留意しなければなりません。(T.K.)